2017年04月20日

 午前に行われたスマートIoT推進フォーラム第2回総会に続き、午後には海外から招いた講演者も加えて、IoT国際シンポジウム2017が行われました。本シンポジウムでは、工場のワイヤレス化・スマート化の取組が紹介されるとともに、日・米・欧のIoT推進団体の取組の紹介とIoTの国際連携に向けたパネルディスカッションが行われました。

 シンポジウムの開会では、あかま総務省副大臣が来賓挨拶を行いました。

あかま総務副大臣
 

続いて、セッション1では、「ワイヤレス化・スマート化による生産性革命」と題して、

  • Andreas Dengel様
    ドイツ人工知能研究所(DFKI)教授
  • 板谷聡子様
    情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター主任研究員
  • 西川徹様
    (株)プリファード・ネットワークス 代表取締役社長 最高経営責任者

の3名による講演が行われました。

  • DFKIより、Industry4.0における製造現場のスマート化の取組として、生産ラインユニットのモジュール化によるプラグ・アンド・プレイ(プラグ・アンド・プロデュース)の実現に向けた取組等 
  • NICTより、工場のワイヤレス化を促進するフレキシブル・ファクトリー・プロジェクト(FFP)工場における無線ネットワークの課題や今後の取組等
  • プリファード・ネットワークスより、オープンコミュニティにオープンソースソフト(Chainer)を提供し、ディープラーニングのアプリケーションの研究開発を加速している取組や、ネットワークがボトルネックとなるため、IoTデータをエッジ側で処理する重要性等

について紹介されました。

ドイツ人工知能研究所 Dengel教授

NICT 板谷様

プリファード・ネットワークス 西川様

セッション2:「IoTの国際連携の推進」では、

  • スマートIoT推進フォーラム 座長/慶応義塾大学教授 徳田英幸先生
  • IIC Steering Committee/Liaison Working Group Co-Chair Wael William Diab様
  • OpenFogコンソーシアム 日本地区委員会 ディレクター 安田誠様
  • AIOTI Interim Chairman of WG11 Thomas Walloschke様

より、リファレンス・アーキテクチャの策定状況など各IoT推進団体の最新の活動状況等について報告がありました。その後、パネルディスカッションでは、徳田座長をモデレータとし、次の方々によりIoTに関する国際連携の方向性について議論が行われました。

 

徳田座長

Diab様

 

安田様

Walloschke様

■  モデレータ
徳田英幸 スマートIoT推進フォーラム 座長/慶応義塾大学教授
■  パネリスト
Andreas Dengel ドイツ人工知能研究所 教授
Wael William Diab IIC Steering Committee/Liaison Working Group Co-Chair
安田誠 OpenFogコンソーシアム 日本地区委員会 ディレクター
Thomas Walloschke AIOTI Interim Chairman of WG11
下條真司 大阪大学 サイバーメディアセンター センター長/教授
谷幹也 日本電気(株)技術イノベーション戦略本部 本部長
西角直樹 三菱総研 社会ICT事業本部 ICT・メディア戦略グループ グループリーダ
 

パネルディスカッションでの主な発言は次のとおりです。

  • IoTデータは未来の通貨としての価値があり、IoTデータを活用したエコシステムの重要性が述べられた。
  • 今後のIoTの国際連携の方向性について、IoTプラットフォームのベンダーロックインの懸念があり、グローバルレベルでの新たな価値創出に向けて、ベンチャー企業等の参入を容易にするオープンなIoTプラットフォーム環境の構築、テストベッドを活用した相互接続検証への期待が述べられたほか、
  • IoTデータの利活用は、消費者に付加価値をもたらすことが期待される一方、データの所有権など様々な課題があり、こうした課題の解決策を含め、ベストプラクティスをIoT推進団体間で共有することの重要性等

が示されました。

下條教授

谷様

西角様

IoT国際シンポジウム2017 展示

 最新のIoT技術やユースケースに関する展示が合計22社から行われました