午前に行われたスマートIoT推進フォーラム第2回総会に続き、午後には海外から招いた講演者も加えて、IoT国際シンポジウム2017が行われました。本シンポジウムでは、工場のワイヤレス化・スマート化の取組が紹介されるとともに、日・米・欧のIoT推進団体の取組の紹介とIoTの国際連携に向けたパネルディスカッションが行われました。
シンポジウムの開会では、あかま総務省副大臣が来賓挨拶を行いました。
続いて、セッション1では、「ワイヤレス化・スマート化による生産性革命」と題して、
- Andreas Dengel様
ドイツ人工知能研究所(DFKI)教授 - 板谷聡子様
情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター主任研究員 - 西川徹様
(株)プリファード・ネットワークス 代表取締役社長 最高経営責任者
の3名による講演が行われました。
- DFKIより、Industry4.0における製造現場のスマート化の取組として、生産ラインユニットのモジュール化によるプラグ・アンド・プレイ(プラグ・アンド・プロデュース)の実現に向けた取組等
- NICTより、工場のワイヤレス化を促進するフレキシブル・ファクトリー・プロジェクト(FFP)工場における無線ネットワークの課題や今後の取組等
- プリファード・ネットワークスより、オープンコミュニティにオープンソースソフト(Chainer)を提供し、ディープラーニングのアプリケーションの研究開発を加速している取組や、ネットワークがボトルネックとなるため、IoTデータをエッジ側で処理する重要性等
について紹介されました。
ドイツ人工知能研究所 Dengel教授
NICT 板谷様
プリファード・ネットワークス 西川様
セッション2:「IoTの国際連携の推進」では、
- スマートIoT推進フォーラム 座長/慶応義塾大学教授 徳田英幸先生
- IIC Steering Committee/Liaison Working Group Co-Chair Wael William Diab様
- OpenFogコンソーシアム 日本地区委員会 ディレクター 安田誠様
- AIOTI Interim Chairman of WG11 Thomas Walloschke様
より、リファレンス・アーキテクチャの策定状況など各IoT推進団体の最新の活動状況等について報告がありました。その後、パネルディスカッションでは、徳田座長をモデレータとし、次の方々によりIoTに関する国際連携の方向性について議論が行われました。
徳田座長
Diab様
安田様
Walloschke様
パネルディスカッションでの主な発言は次のとおりです。
- IoTデータは未来の通貨としての価値があり、IoTデータを活用したエコシステムの重要性が述べられた。
- 今後のIoTの国際連携の方向性について、IoTプラットフォームのベンダーロックインの懸念があり、グローバルレベルでの新たな価値創出に向けて、ベンチャー企業等の参入を容易にするオープンなIoTプラットフォーム環境の構築、テストベッドを活用した相互接続検証への期待が述べられたほか、
- IoTデータの利活用は、消費者に付加価値をもたらすことが期待される一方、データの所有権など様々な課題があり、こうした課題の解決策を含め、ベストプラクティスをIoT推進団体間で共有することの重要性等
が示されました。
下條教授
谷様
西角様
講演資料
セッション1「ワイヤレス化・スマート化による生産性革命」
Andreas Dengel ドイツ人工知能研究所教授 講演
板谷聡子 情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター主任研究員 講演
西川徹 (株)プリファード・ネットワークス 代表取締役社長 最高経営責任者 講演
セッション2「IoTの国際連携の推進」
Wael William Diab IIC Steering Committee/Liaison Working Group Co-Chair IIC活動報告
安田誠 OpenFogコンソーシアム 日本地区委員会 ディレクター OpenFog活動報告
Thomas Walloschke AIOTI Interim Chairman of WG1 AIOTI活動報告
谷幹也 日本電気(株)技術イノベーション戦略本部 本部長 活動紹介
西角直樹 三菱総研 社会ICT事業本部 ICT・メディア戦略グループ グループリーダ 活動紹介(日本語)
西角直樹 三菱総研 社会ICT事業本部 ICT・メディア戦略グループ グループリーダ 活動紹介(英語)
IoT国際シンポジウム2017 展示
最新のIoT技術やユースケースに関する展示が合計22社から行われました