2019年03月26日

 2019年3月8日(金)にベルサール神田において、スマートIoT推進フォーラム第4回総会及びIoT国際シンポジウム2019が約500名の参加者を得て開催されました。本稿では、午前に行われたスマートIoT推進フォーラム第4回総会に続き、午後に海外から招いた講演者も加えて行われた、IoT国際シンポジウム2019について報告します。本シンポジウムでは、生産性向上に向けてIoT・ビッグデータ・AIの活用が始められている製造業分野、パーソナルデータの利活用が期待されるヘルスケア分野、ICT技術の発展により大きく変わりつつあるゲーム分野について、現状及び課題と未来への展望等についてのディスカッションや有識者の講演が行われました。

 シンポジウムの開会では、佐藤ゆかり総務副大臣より来賓挨拶が行われました。

佐藤 総務副大臣 来賓挨拶

 

 続いて、基調講演では、「IoT、AIが牽引するインダストリ4.0の最新動向」と題して、Andreas Dengel ドイツ人工知能研究所(DFKI)教授による講演が行われました。

Dengel 教授 基調講演

 続いて行われた、セッション1では、「製造現場のIoT化・AI活用と日本-ドイツの連携」と題してパネルディスカッションが行われました。本パネルディスカッションでは、以下のトピックスに関して幅広い議論が行われました。

  • IoT・AI分野における日独協力の状況と今後の展望
  • 製造現場のIoT化・AIの活用において、自動化・マスカスタマイズ対応・人とロボットとのコラボレーションなどの取り組み状況
  • 教師データの収集や前処理、データの意味付け(セマンティック)など、AIとデータ活用をさらに進めるための最新動向
  • 製造現場における5G移動通信への期待

<パネリスト>

  • Fabian Werner  ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)
  • Ludger van Elst ドイツ人工知能研究所(DFKI)
  • Martin Haegele  フラウンホーファ 生産技術・オートメーション研究所
  • 丸橋 健一    日本電気株式会社(NEC) シニアエキスパート
  • 板谷 聡子    (国研)情報通信研究機構(NICT) 主任研究員

<モデレータ>

   中村 秀治         三菱総合研究所 営業本部長・執行役員
 

三菱総合研究所 中村様

BMWi Werner様

DFKI Elst様

フラウンホーファHaegele様

NEC 丸橋様

NICT 板谷様

 次に行われたセッション2では、「ヘルスケア最前線~パーソナルデータと未来の暮らし~」と題したパネルディスカッションが行われました。本パネルディスカッションでは、以下のトピックスに関して幅広い議論が行われました。

  • パーソナルヘルスケアデータの活用に関する日本と海外の最新動向
  • IoTやスマートヘルスケアデバイスによって、自身の健康データを蓄積し、疾病の予測や予防を行う可能性。そのためのデータ蓄積・流通プラットフォームの状況・課題と将来の展望
  • 上記によって、患者と医師の関係や社会がどのように変化するかの議論
  • 医療とIoT/AI/ビックデータなどのテクノロジーを繋ぐことができる人材の育成

<パネリスト>

    矢作 尚久           慶應義塾大学大学院准教授​

Pawel Kleczek     コマーチ・ジャパンCEO

山本 義春  ​   ヘルスケアIoTコンソーシアム(HIT)会長

​Shabbir Syed-Abdul​  台北医学大学准教授​

<モデレータ>

中村 修       慶應義塾大学教授
 

慶應大学 中村教授

慶應大学 矢作准教授

コマーチ Kleczek​

HIT山本様

台北医学大学 Syed-Abdul准教授

 最後にセッション3では、「ゲームのミライ~技術が変える、ゲーム業界のエコシステム~」と題して、公演とパネルディスカッションが行われました。冒頭に、AI、Web技術がもたらすインパクトについて以下のプレゼンテーションが行われました。

<講演>

AIがもたらすインパクト

  三宅 陽一郎     スクウェア・エニックス リードAIリサーチャー

Playing games on the Web ~The nest frontier~

  Francois Daoust    World Wide Web Consortium(W3C)​

スクエアエニックス 三宅様

W3C Francois様

パネルディスカッションでは、以下のトピックスに関して幅広い議論が行われました。

  • 日本及び海外におけるe-Sportsのエコシステム(IPホルダー、イベントオーガナイザー、配信、チーム運営など)の状況
  • 市場の立ち上がり状況とビジネスモデルに関する議論、及び今後の展望
  • e-Sportsが若年層を取り込むことによる地方創生や地域活性化への期待
  • 5G移動通信への期待

<パネリスト>

 荒木 重則       株式会社カプコン eSports統括本部長​

 大友 真吾       RAGE総合プロデューサー

 梅崎 伸幸       DetonatioN Gaming CEO​​

<モデレータ>

 浜村 弘一       カドカワ株式会社シニアアドバイザー/日本eスポーツ連合副会長​

 

カドカワ 浜村様

カプコン 荒木様

RAGE 大友様

DetonatioN Gaming 梅崎様

 
 あわせて、展示会場において、企業や団体32者が、IoTに関する最新技術・サービスの展示を行いました。

同時に行われた展示の様子

 

スマートIoT推進フォーラム国際シンポジウム2019プログラム・資料

(1)   来賓挨拶 佐藤ゆかり 総務副大臣

(2)   基調講演:IoT、AIが牽引するインダストリ4.0の最新動向」

(3)   セッション1:製造現場のIoT化・AI活用と日本-ドイツの連携

(4)   セッション2:ヘルスケア最前線~パーソナルデータと未来の暮らし~

(5) セッション3:ゲームのミライ~技術が変える、ゲーム業界のエコシステム~