ベジタリア株式会社
- 事業・業務の見える化
- コスト削減
- 事業・業務プロセスの改善
- 故障や異常の予兆の検知、予防
- 故障や異常への迅速な措置
- 故障や異常発生後の最適かつスムースな事業継続
- 最適経路・プロセスの選択
- 経営判断の迅速化・精密化
- 収集情報を活用した新規事業の発掘
【活用対象】
- 自社
- パートナー企業含めたグループ内
- 他企業とのアライアンス・コミュニティ内
- 企業顧客
- 一般顧客
IoT事例の概要
サービスやビジネスモデルの概要
農業用各種センサーと専用アプリの導入による農作物と農作業のモニタリング
内容詳細
自然農園は約40haの農地でベリー類をはじめとする果物を栽培しており、当社の提供するIoT機器や農作業管理ツール「アグリノート」を導入している。IoT機器導入により温度、湿度、日射などのデータを自動収集し、「アグリノート」によって数十か所に及ぶ圃場の一元管理や作業履歴の記入・確認を簡単化するとともに、農作物生産に関するコスト管理の「見える化」を図っている。
また、収集データを分析し、害虫/病気の科学的な予防を図っている。さらには、生産方法の見える化など顧客からの要望が高いデータについては、順次提供等を進めている。
同農園は、農林水産省の有機JASの認定注1及び特別栽培農作物の認定注2を受けており、加工場でも有機JAS認定を取得している。このため、農薬や化学肥料を極力使わず堆肥などによる土づくりを基本とする自然界の力で生産されたことを示す栽培管理記録が必要になる。IoT機器やアグリノートの導入は、このための報告作成というペーパーワークの省力化にも貢献している。
データ収集に関しては、センサーデータや圃場の静止画をフィールドサーバー、NTTドコモのモバイル回線経由でクラウドサーバーに集約している。スマートフォンやタブレットにアプリを導入することで、圃場の環境情報や作物の生育状況を常時モニタリング可能としている(概要図参照)。
注1:有機食品の検査認証制度。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで、自然界の力で生産された農産物、加工食品、飼料及び畜産物には有機JASマークを付けることができる。認定を受けるためには、農産物を栽培する圃場の管理記録や有機加工食品の製造に関する記録等が必要となる。
注2:その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び科学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物
概要図
取り扱うデータの概要とその活用法
3G回線を利用してセンサーデータや農作業の履歴データなどをクラウドにアップしている。利用者はクラウド上のデータをスマホやタブレットを操作して、分かりやすい形で農業生産に必要な情報を確認できる。データは病虫害の防除、適切な施肥の実施など農作業のさまざまな局面で活用されている。
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
従来の一般的な農業向けセンサー類の活用にあたっては、通信回線とAC電源が必要であり導入のハードルが高かったが、これを解消するためモバイル通信機能を内蔵し乾電池で半年程度動作する(センサーによって電池寿命は増減する)フィールドサーバーを開発した。現在は、ものの10分程度で設置できるようになっている。
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
利用者側が意識しないで最新のサービスが利用できるように、クラウドベースのシステム開発とアプリケーション開発を行った。
今後の展開
現在抱えている課題
センサー類を全圃場に導入したいと考えているが、現時点ではセンサー本体の価格、通信コストが高い。また、センサーの駆動に商用電源が必要であることもネックとなっている。センサーの供給元から、より低価格で乾電池駆動のセンサーが近々販売されるとの情報を得ているので、それに期待している。
将来的に想定する課題、強化していきたいポイント
農業生産の状況のモニタリングに必要なセンサー類の充実
将来に向けて考えられる行動
モニタリングサービスを導入する農場数の拡大とデータ分析結果の一層の精密化
連携を含めた強化分野
- 収集情報を活用した付加顧客サービス提供
- 顧客へのサービス対応・サービス品質向上
- 収集情報を活用した新規事業の発掘